修理お預かりの際の修理の流れとなります。
今回のベスパ50s、実働状態での入庫だったので、先ずは、現状確認する為の

試運転からスタート。
乗りながら、違和感があるところや異音は無いか等確認しながらの試運転。
現状、取り立てて書くほどの異常はなく、後は、お客様が気にしていたところ、外から分かる要修理箇所をピックアップしていく作業。
乗られてきた時に、あれ?と思ったのが

盛大に何かが吹いているエンジン。
排気漏れなのか、それとも別のところからなのか。

排気漏れは無し。

プラグホールからの圧縮漏れは少しあるけれど、エンジンを盛大に汚すほどではない。
隙間から覗いてチェックするしかないので写真撮れませんでしたが、盛大に吹いているのは、シリンダーとシリンダーヘッドからの圧縮漏れで確定。
ついでに

ステータープレートの配線チェック。
ここは交換されているので触らずOK。
と思ったんだけど、使っているギボシ端子の雰囲気から良い感じしなかったので念の為にと

フライホイール外してみたら、???、配線は交換してあるはずなのに劣化した配線が。
どうしたよ?と視線を移してみたら

納得。
古い配線を途中でカットして継いでありました。
こりゃ駄目だ。
熱収縮チューブ被せる手間かけてるのに、何故、コイルの根元から交換しなかったのか。
謎は残るけど、要交換。
現状、問題なかったんだけど、ウィンカーが点かない時があると言われていたのは、もしかする配線劣化と関係があるかも。
そして、フロントブレーキはキーキー鳴く。
ブレーキシューが劣化して硬化しているのか、それともグリス切れか、どちらにせよオーナー様がオーバーホールを希望されているので整備します。
それに付随して

フロントハブ廻りのグリスをチェック。
グリス少な目。
当時物グリス。
メーターギアはギリギリ、グリスが付いている状態。

フロントフォークリンクに水が浸入しないように取り付けられているOリングは切れて付いていない状態。
これに関してはフロントブレーキオーバーホール時に取り付けられるので工賃かからず取り付けられます。

ハンドルパイプはグリスっ気無し。

ハンドルを左右に動かすとフロントフォークベアリングからキュッ、キュッと音が聞こえてるく。
グリス切れ&錆び発生って感じかな。
後は、タイヤの劣化。
当時物のタイヤなので同時にチューブ交換。
あと、圧縮漏れ以外に

クラッチレバーからのオイル漏れもあった。
これはクラッチカバーのOリング交換で直るはず。
取りあえずはこんな現状。
これらの作業、使うと思われるパーツをピックアップしてお見積もり作成。
その合計金額がオーナー様の許容範囲なら全て作業。
予算オーバーだとしたら、どこまで作業をするかを予算に応じて優先順位を付けて自分が判断。
先送りに出来ない作業もありますが、なるべく予算内で出来ることをやる。
そんな流れとなります。
予算に余裕があれば追加で、ステータープレート配線の整備の雰囲気だと、キャブレターのオーバーホールはやっておいてもいいかもしれませんね。
ただ、現状は問題ないので何かあってからで良いとは思いますが。
古い車両なんで整備途中に追加作業が必要となる場合もあったりします。
そんな場合も、オーナー様に確認を取ってからの作業となります。
という事で、これからお見積もり作成。
整備履歴が分からない車両の点検的な修理の時は、こんな感じで駄目なところは取りあえずピックアップ。
その先は予算に応じてどこまでやるか。
どの車両もその流れとなります。
続く
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